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孤独は感じなかった。実際今もみらいも過去も、私も誰も孤独ではなかった。
目を閉じたら空のことを思った。それは星の息づく真っ黒のものだったり、白くて細長い雲が行き交う水色の空だった。寒い皮膚の上から見える熱い血や、爪の奥の色、のしっかりしたピンク色の暮の空が眠る私たちの下から染みて空の床をつくった。
知らぬ間に遠くに行ってしまったあめ色のボタンを白い床の上で見つけるのは簡単だった。でもそのボタンは理由があって転がってきたと言っていた。私にはわからなかったが、それでもいいと思った。
この部屋の中で愛することも許すことも絶望することもとても簡単だった。なので自分の無力さを見た。私はそれらの水の中にいたけれど水と一体ではなかった。時間の配列の薄灰色の塔の中で自分が生まれたときから私は存在していなかった。薄灰色の塔は今でも列が増え続けているけど自分とそれはなんの関係もなく思えた。時間の塔はみんなでタピオカの列に並んでいるのだと思った。
私はぴかぴかの青く光るそれをひとに渡せなかった。

でも、嬉しいことも悲しいこともここにはひとつもなかった。無音の真っ白のシーソーの上にわたしは立っていて、その上をきまぐれにあははと行ったり来たりすることで自分をぐらぐら揺らした。
愛と抱擁と接吻によって弔いを見た。ぼんやりとしているけれど確かにそこにいる弔いは私から少し遠いところで一人で、タップダンスしていた。私はそれを見て不意に友達を見つけたときの楽しい気持ちになった。